モノをつくることは生きること、「与えられる」から「創り出す」側へ
しょうぶ学園は1973年に開設。利用者の感性溢れる創作の姿勢に魅せられ、1985年から活動そのものを「工房しょうぶ」とし、 下請け作業を廃し木工・陶芸・染め・織り・刺繍・和紙・園芸・パン工房などの工芸を中心にした利用者の個性を発揮できる環境づくりに転換しました。 以来“地域に根差した個性あふれる福祉文化の創造”をコンセプトに施設活動が「与えられる」側から「創り出す」側になることを目標にしています。
大島紬や縫製や刺し子の下請け作業所としてスタートしました。その後、1988年に下請け作業を撤廃し、 裂き織り・刺繍を中心にオリジナルの作品づくりを展開しています。 特に刺繍(縫い)はnui projectとして多くの才能を発掘し、独特の縫いの世界をつくり続けています。
1988年に設置。専門スタッフが従事する家具制作ができる本格的な木工設備を持ち、 利用者による手仕事と融合した工房しょうぶならではの制作スタイルによる創作家具の他、 テーブルウェアやカトラリーなど、手作りの小物を手がけています。
1990年に設置。利用者の個性を尊重し、こねたり、まるめたり、のばしたり、積み上げたり、削ったりなどの 土の特性を生かしながら、土と遊ぶなかから思いがけない作風が生まれています。 陶のボタン、食器からオブジェまで、創造性ゆたかな制作をしています。
和紙班:1993年に設置。楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)を材料に、ステーショナリー、照明、タペストリーのほか、 柿渋で染めた和紙のバッグやファイルも制作しています。 紙を漉く手つきは職人さん顔負け、本格的な作業風景が見られます。 不ぞろいな仕上がりが思いもかけない面白い風合いを作り出します。
造形班:2012年に設置。和紙班で漉いた紙の他、それぞれが心地よいと思う材料を使いながら、平面作品、立体作品を制作しています。 点や線、色が踊るユニークなその表現は、絵画やオブジェだけにとどまらず、 Tシャツやバッグといったクラフト作品をも楽しく彩ります。
しょうぶ学園の生活介護事業では、常時介護の支援が必要な利用者に対し、アートや音楽活動、レクリエーションなど様々なプログラムを提供しています。 アートプログラムでは、絵画をベースとした表現活動をサポートし、スタッフと共にポストカードやペーパーバッグなどのステーショナリーアイテムやアクセサリーの制作を行ないます。
2019年9月にオープンしたアムアの森は、生活介護事業(Art +)、児童発達支援事業 (Kids A)、放課後等デイサービス事業(Kids B)を行う多機能型事業所です。生活介護 事業では工房名を「Art +」とし、絵画・刺繍・造形を中心とした活動を行なっています。
1997年にパン工房 ポンピ堂、2008年にはパスタ&カフェ Otafuku、2011年にはそば屋凡太が誕生。 現在、学園内には3つの食の工房があります。園内はもちろんのこと、地域の人々、 また遠方より学園を訪ねて来られた方々の憩いの場として親しんでいただいています。 食をとおして交わるお客様との言葉や笑顔のやりとりによって、 地域でともに暮らす感覚を共有できる場のつながりが食の工房から生まれています。
近年、持続可能な未来を養う食と農の重要性に着目し、しょうぶの畑も小さな農園として再生されました。 パン工房ポンピ堂やパスタ&カフェ Otafuku、そば屋凡太で使う野菜の自給を増やそうと農園づくりへの新たな取り組みが始まっています。 有機農園として、利用者たちと共に土づくりからはじめています。 2015年からS-Plantsの活動が開始され、多肉植物や観葉植物、利用者のペイントが施されたオリジナル鉢の販売も行っています。