2021.08.13 UP DATE
心の窓(101)

心変わりと変わらないもの

生まれて初めて服を作った。きっかけは白いオックスフォードシャツ。

10年間ほぼ毎日、白のオックスフォードシャツを着ていた。ある日突然、この白シャツしか受け入れられなくなってしまったのだ。他の服を着ている自分に違和感を感じるようになった。

そんな日々の10年後にふと、ボタンをカラフルにしてみたいという欲がやって来た。それならいっその事、一から作ってしまおう。出来上がりを想像して、10年間のこだわりは何処へやら。ウキウキした。

布を用意して、切って、縫って出来上がり。服を作るという未知の体験をした。ひとつひとつの工程につまずき、手元と本とを見比べて確認しながら試行錯誤する作業が楽しかった。

結局、お手製の白オックスフォードシャツはまだ出来ていない。子供達にサロペットとブラウス、サルエルパンツを3本作った。

子供達と妻はとっても喜んでいた。家族は「いつ出来そう?」と言って共に服の出来上がりを楽しみにしていた。

時間に追われる日々の中で、たまに一旦立ち止まって、無駄だと思い込んでいた時間を愛でてみると、大切な人や物との関わりに気付く。自分の根本は、「誰かの為に」だと再認識した。

(Beしょうぶホームヘルパー 平原忠男)

季刊誌101号『心の窓』より掲載(季刊誌購読方法はこちらへ

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(Beしょうぶホームヘルパー 平原忠男)